「体重は増えていないから大丈夫」
「毛がふわふわしているだけで、太ってはいないはず」
「毎日見ているので、体型の変化に気づきにくい」
愛犬の肥満度について、このように感じている飼い主さんも多いのではないでしょうか。
犬の健康管理では、体重の数字だけでなく、肋骨の触れ方や体のシルエットを確認することが大切です。
同じ犬種や同じ体重でも、骨格、筋肉量、体脂肪のつき方は犬によって異なります。
そこで役立つのが、犬の体脂肪のつき方を見た目と触診から評価するボディコンディションスコア(BCS)です。
今回は、愛犬の肥満チェックに役立つ次の3つのポイントを、分かりやすくご紹介します。
- 肋骨を無理なく触れられるか
- 上から見たときに腰のくびれがあるか
- 横から見たときにお腹が引き締まっているか
愛犬の体を優しく見て、触れて、現在の健康状態を知るきっかけにしていきましょう。
この記事の目次
1.犬の肥満度は体重だけでは分からない
愛犬の体重を定期的に量ることは、健康管理の基本です。
しかし、体重の数字だけでは、増えた分が脂肪なのか、筋肉なのかを正確に判断できません。
成長期の犬、運動量の多い犬、筋肉質な犬、シニア犬では、同じ体重でも体の状態が異なります。
ボディコンディションスコアとは?
ボディコンディションスコアは、犬の体脂肪のつき方を見た目と触診によって評価する方法です。
世界小動物獣医師会(WSAVA)の9段階評価では、数字が小さいほど痩せており、数字が大きいほど脂肪が多い状態を示します。
| BCSの目安 | 体の状態 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| 1~3 | 理想より痩せている | 肋骨や骨格が目立ち、脂肪が少ない |
| 4~5 | 理想的な状態 | 肋骨を触れ、腰のくびれと腹部の引き締まりがある |
| 6~9 | 理想より脂肪が多い | 肋骨が触れにくく、くびれが分かりにくい |
家庭での判定はあくまで目安です
犬種、骨格、被毛、年齢、筋肉量によって体型の見え方は異なります。正確な評価は、動物病院で体重、BCS、筋肉量などを総合的に確認してもらいましょう。
体重と体型を一緒に記録しよう
愛犬の変化を把握するには、体重だけでなく、BCSや体の写真も定期的に記録する方法があります。
- 同じ体重計を使って定期的に量る
- 上から見た体型を撮影する
- 横から見た体型を撮影する
- 肋骨の触れやすさを記録する
- 食事量やおやつの量を記録する
毎日見ていると気づきにくい小さな変化も、過去の写真や記録と比べることで確認しやすくなります。
2.ポイント1|肋骨を優しく触ってみる
愛犬の肥満度を確認するときは、まず胸の横に手を当てて、肋骨の触れ方を確認します。
強く押し込むのではなく、指先や手のひらを使って、毛並みに沿うように優しく触れてください。
理想的な状態の目安
理想的な体型では、肋骨一本一本が外からはっきり見えるわけではありませんが、薄い脂肪の下にある肋骨を無理なく触れられます。
指を軽く滑らせたときに、肋骨の位置や並びが分かる状態が一つの目安です。
触ったときの目安
- 骨が強く浮き出ている:痩せている可能性があります
- 薄い脂肪の下に肋骨を感じる:理想的な状態の目安です
- 強く押さないと肋骨が分からない:脂肪が多い可能性があります
- 肋骨の位置がほとんど分からない:肥満の可能性があります
長毛犬は見た目だけで判断しない
プードルやポメラニアンなど、被毛にボリュームのある犬は、見た目だけでは体型を判断しにくいことがあります。
反対に、毛を短くカットしたことで、急に痩せたように見える場合もあります。
被毛の印象に左右されず、実際に体へ触れて確認しましょう。
痛がる場合は確認を中止してください
胸や背中へ触れたときに痛がる、うなる、体を強く避けるといった反応がある場合は、無理に続けず動物病院へ相談してください。
3.ポイント2|上から腰のくびれを見る
次に、愛犬が自然に立っている状態を上から見て、胸から腰にかけてのラインを確認します。
肋骨の後ろから腰へ向かって、体の幅が少し細くなっているかを見てみましょう。
理想的な体型には緩やかなくびれがある
理想的な体型の犬を上から見ると、肋骨の後ろに緩やかなくびれがあります。
極端な砂時計型になる必要はありませんが、胸から腰までが一直線ではなく、腰の部分が少し細く見えることが目安です。
- くびれが深く、骨格が目立つ:痩せている可能性があります
- 肋骨の後ろに緩やかなくびれがある:理想的な状態の目安です
- くびれがほとんど分からない:脂肪が多い可能性があります
- 腰より胸やお腹が大きく広がっている:肥満の可能性があります
自然に立った姿勢で確認する
犬がおすわりをしていると、お腹の皮膚や脂肪が広がり、実際より太って見えることがあります。
体を曲げているときや食後すぐではなく、四本の足で自然に立っている状態で確認しましょう。
正面や斜めからではなく、できるだけ真上から見ることもポイントです。
写真で比べるのもおすすめです
月に一度程度、同じ場所、同じ姿勢、同じ角度で撮影しておくと、腰のくびれの変化を比較しやすくなります。
4.ポイント3|横からお腹のラインを見る
最後に、愛犬が自然に立っている状態を横から見て、胸から後ろ足へ続くお腹のラインを確認します。
理想的な体型では、胸の下から後ろ足へ向かって、お腹が緩やかに持ち上がっています。
お腹の引き締まりを確認する
横から見たときに、胸の最も低い位置とお腹の位置が同じ高さではなく、後ろ足へ向かってお腹が上がっていることが一つの目安です。
横から見たときの目安
- お腹が強く引き上がり、骨が目立つ:痩せている可能性があります
- 後ろ足へ向かって緩やかに上がっている:理想的な状態の目安です
- 胸からお腹までほぼ水平に見える:脂肪が多い可能性があります
- お腹が下方向へ垂れている:肥満やほかの体調変化の可能性があります
お腹が大きい原因は肥満だけではない
お腹が膨らんで見えるからといって、必ずしも肥満とは限りません。
食後、妊娠、腹水、内臓の病気、ホルモンに関係する病気など、脂肪以外の原因でお腹が大きく見えることもあります。
急にお腹が膨らんだ、呼吸が苦しそう、吐こうとしているのに吐けない、元気がないといった異常がある場合は、肥満チェックを続けず、速やかに動物病院へ相談してください。
愛犬の肥満度を確認する3つのポイント
- 肋骨:薄い脂肪の下に無理なく触れられる
- 上からの体型:肋骨の後ろに緩やかなくびれがある
- 横からの体型:後ろ足へ向かってお腹が引き締まっている
3つのうち一つだけで判断せず、すべてを組み合わせて確認しましょう。
肋骨を触れにくく、くびれとお腹の引き締まりも分かりにくい場合は、理想より脂肪が多い可能性があります。
5.肥満が気になったときの食事と運動の見直し方
愛犬が太っているように見えても、自己判断でドッグフードを大幅に減らしたり、急に激しい運動を始めたりすることは避けましょう。
必要な栄養まで不足したり、関節や心臓へ負担がかかったりする可能性があります。
まずは動物病院で現在の体重、BCS、筋肉量、持病の有無を確認し、愛犬に合った目標を決めることが大切です。
食事は目分量ではなく計量する
同じカップ一杯でも、フードの粒の大きさや入れ方によって量が変わることがあります。
可能であればキッチンスケールを使い、グラム単位で計量しましょう。
一日に食べているものをすべて確認しましょう
- 朝と夜のドッグフード
- トレーニングで使うおやつ
- 歯磨き用ガムや長持ちおやつ
- 家族からもらっている食べ物
- 薬を飲ませるために使う食品
世界小動物獣医師会は、一般的な目安として、おやつを一日の摂取カロリーの10%以下に抑えるよう案内しています。
おやつを与えた分は、主食とのバランスを考え、必要に応じて獣医師へ一日の適正量を相談しましょう。
食べ物以外のご褒美も取り入れる
愛犬への愛情表現は、おやつだけではありません。
- 優しく声をかける
- 体をなでる
- 一緒に遊ぶ
- ブラッシングをする
- ゆっくり散歩を楽しむ
食べ物以外のコミュニケーションを増やすことで、愛犬との絆を保ちながら、余分なカロリーを減らしやすくなります。
運動は愛犬の体調に合わせて少しずつ
運動不足が気になる場合も、突然長時間走らせる必要はありません。
散歩の時間や距離を少しずつ調整し、愛犬の呼吸、歩き方、疲れ方を確認しましょう。
肥満の犬、シニア犬、関節や心臓に不安がある犬は、運動を増やす前に獣医師へ相談してください。
PAWTOPIAで楽しく体を動かそう
愛知県岡崎市のPAWTOPIA(パウトピア)は、自然の中で愛犬と楽しめるドッグラン、ドッグアスレチック、ドッグカフェを備えた施設です。
広い場所で走るだけでなく、草や土のにおいを嗅ぐ、飼い主さんと一緒に歩く、周囲を探索するといった過ごし方もできます。
愛犬の健康状態や運動経験に合わせ、短い時間から無理なく楽しみましょう。
暑い日や湿度の高い日は、地面の温度や熱中症にも注意し、こまめな水分補給と休憩を心がけてください。
まとめ|くびれ・肋骨・お腹のラインを確認しよう
愛犬の肥満度は、体重の数字だけで正確に判断することはできません。
肋骨を無理なく触れられるか、上から見たときに腰のくびれがあるか、横から見たときにお腹が引き締まっているかを確認しましょう。
定期的に愛犬の体へ優しく触れることは、肥満だけでなく、しこり、痛み、皮膚の異常などに気づくきっかけにもなります。
体型が気になる場合は、食事を急に減らすのではなく、動物病院で適正体重や食事量を確認し、愛犬に合った健康管理を始めましょう。
参考情報
※本記事は、犬の肥満度と健康管理に関する一般的な情報を紹介するものです。家庭でのボディコンディションチェックは診断ではありません。体重や体型の急な変化、腹部の膨らみ、食欲や元気の低下などが見られる場合は、獣医師へご相談ください。
