「留守番中に家具やクッションを噛んでしまう」
「退屈そうに、自分の足や身の回りの物を噛んでいる」
「愛犬が夢中になれる、安全なおやつを見つけたい」
このようなお悩みを抱えている飼い主さんも多いのではないでしょうか。
犬にとって噛むことは、食べ物を細かくするためだけの動作ではありません。口や鼻を使って対象を確かめ、欲求を満たしながら時間を過ごす、犬らしい行動の一つです。
適切な犬用おやつを使って噛む時間をつくることは、愛犬の退屈を減らし、気持ちを落ち着けるための環境づくりに役立つ場合があります。
ただし、硬ければ硬いほどよい、長持ちすればするほどよいというわけではありません。愛犬の体格や噛む力に合わないおやつは、歯の破損、喉詰まり、消化管のトラブルにつながる可能性があります。
今回は、犬の噛みたい気持ちを満たしながら、安全に取り入れられるストレス対策お菓子の選び方と与え方をご紹介します。
1.犬はなぜ物を噛みたくなるの?
犬が物を噛む理由は、一つではありません。
子犬は歯の生え替わりによる違和感から物を噛むことがあります。成犬でも、遊びたいとき、退屈しているとき、周囲を確かめたいときなどに口を使います。
そのため、愛犬が何かを噛んでいるからといって、すぐに問題行動と決めつける必要はありません。
噛むことは犬にとって自然な行動
人が手で物を触って確かめるように、犬は鼻や口を使って身の回りの物を確認します。
犬用のおやつやおもちゃを前足で押さえ、においを嗅ぎながら少しずつ噛む行動は、犬の感覚を使った遊びにもなります。
適切な噛む対象が用意されていないと、家具、スリッパ、コード、クッションなどが代わりの対象になることがあります。
大切なポイント
家具を噛んだ後に叱るだけでは、愛犬には「何を噛めばよいのか」が伝わりません。噛んでもよい犬用おやつやおもちゃへ、穏やかに誘導してあげましょう。
噛む時間が気分転換になることもある
長く楽しめるおやつやフードを使った知育玩具は、犬が一つの行動へ集中するきっかけになります。
実際に、長持ちする噛むおやつ、フードが出るおもちゃ、自動給餌機を比較した研究では、短時間の隔離中に、犬が噛むおやつへ最も長く関わり、比較的穏やかで前向きな状態を示したと報告されています。
ただし、この結果だけで「噛むおやつを与えれば、すべてのストレスが解消する」とは言えません。
噛むおやつは、退屈を減らしたり、愛犬が落ち着いて過ごせる時間をつくったりするための選択肢の一つとして活用しましょう。
2.噛むおやつを取り入れたいストレスサイン
犬は言葉で「退屈している」「不安を感じている」と伝えられません。
その代わりに、表情、姿勢、行動の変化を通じて、飼い主さんへ気持ちを伝えています。
次のような様子が繰り返し見られる場合は、愛犬の生活環境や過ごし方を見直してみましょう。
- 家具や日用品を繰り返し噛む
- 落ち着かずに同じ場所を歩き回る
- 必要以上に吠えることが増えた
- 飼い主さんの後を常について歩く
- 自分の足や体を何度もなめる
- 遊びや散歩への反応が変わった
- 留守番の前後に興奮が強くなる
これらの行動は、必ずしもストレスだけが原因とは限りません。
痛み、皮膚のかゆみ、口腔内の違和感、消化器の不調などが影響している場合もあります。突然行動が変わった場合や、同じ行動を長時間繰り返す場合は、動物病院へ相談してください。
おやつだけで原因を隠さないことが大切
愛犬が落ち着かないたびにおやつを与えるだけでは、運動不足や留守番への不安といった、本来の原因が解決されないことがあります。
犬用おやつは、次のような生活習慣と組み合わせて活用しましょう。
- 愛犬の年齢や体調に合った散歩
- においを嗅ぎながら歩く時間
- 飼い主さんと一緒に遊ぶ時間
- 安心して休める静かな場所
- 無理のないしつけや知育遊び
噛むおやつは、愛犬の生活を整えるための補助的なアイテムとして取り入れることが重要です。
3.安全なストレス対策お菓子の選び方
犬の噛みたい気持ちを満たすためには、味や長持ちする時間だけでなく、安全性を確認する必要があります。
愛犬の体格、年齢、噛む力、歯の状態、持病などに合ったおやつを選びましょう。
愛犬の口より小さすぎないサイズを選ぶ
小さすぎるおやつは、犬が丸飲みして喉に詰まらせる可能性があります。
噛むおやつは、愛犬が前足で押さえながら少しずつ噛めるサイズを選びましょう。
ただし、大きければ必ず安全というわけではありません。途中で小さくなった場合は、飲み込める大きさになる前に回収してください。
硬すぎるおやつを避ける
長持ちさせたいからといって、非常に硬いおやつを選ぶのは注意が必要です。
骨、角、ひづめなどの硬い素材は、犬の歯が欠けたり折れたりする原因になる可能性があります。
硬さを確認する目安
- 爪で押してもまったく跡がつかないほど硬くないか
- 愛犬が強い力で何度も歯を打ちつけていないか
- 噛んだときに鋭い破片ができないか
- シニア犬や歯の弱い犬に適した柔らかさか
歯周病、欠けた歯、治療中の歯がある犬には、噛むおやつが適さない場合があります。口の状態に不安がある場合は、事前に獣医師へ相談しましょう。
原材料とカロリーを確認する
噛む時間が長いおやつは、見た目以上に高カロリーな場合があります。
世界小動物獣医師会(WSAVA)は、おやつを犬の1日の摂取カロリーの10%未満に抑え、主食の代わりにしないよう案内しています。
噛むおやつを与えた日は、その分を食事やほかのおやつから調整しましょう。
犬に与えてはいけない代表的な食品
チョコレート、キシリトールを含む食品、玉ねぎやネギ類、ぶどうやレーズン、マカダミアナッツ、アルコール、カフェインを含む食品などは犬に与えないでください。
人用のお菓子ではなく、犬用として製造され、原材料や給与量が確認できる商品を選ぶことが基本です。
お出かけ先でも愛犬に合うおやつを探してみませんか?
PAWTOPIAには、犬のお菓子やお土産を見られるコーナーがあります。愛犬の体格や噛む力を考えながら、原材料、硬さ、サイズを確認して選びましょう。
購入した商品を施設内で与えられるかどうかは、商品表示と施設の利用ルールをご確認ください。
4.愛犬が満足できるおやつの与え方
安全なおやつを選んでも、与え方によっては誤飲や食べすぎにつながります。
愛犬が落ち着いて噛む時間を楽しめるように、環境とタイミングを整えましょう。
必ず飼い主さんが見守る
噛むおやつを与えている間は、愛犬を一頭だけにしないようにしましょう。
途中で大きな塊を飲み込みそうになったり、急いで食べ始めたりした場合は、落ち着いて回収します。
無理やり口から引き抜こうとすると、取られまいとして急いで飲み込んだり、おやつを守ろうとしたりすることがあります。
小さなおやつや別のおもちゃと交換する「交換」の練習を、普段から行っておくと安心です。
興奮している最中にはすぐ与えない
走り回った直後や激しく吠えている最中は、呼吸が整っておらず、急いでおやつを飲み込む可能性があります。
まずは水分補給と休憩を取り、呼吸や動きが落ち着いてから与えましょう。
おやつを与える場所も、人やほかの犬の出入りが少ない、静かな環境が向いています。
最初は短時間から試す
初めて与えるおやつは、愛犬がどのように噛むか分かりません。
最初は短い時間だけ与え、噛み方、便の状態、嘔吐の有無、口の中の傷などを確認しましょう。
一度に食べきれない商品を再度与える場合は、商品の保存方法と使用期限に従ってください。
多頭飼いの場合
犬同士がおやつを取り合わないよう、別々の場所で与えましょう。普段は仲のよい犬同士でも、価値の高いおやつを前にすると緊張や争いが起こることがあります。
5.自然の中で心と体を満たす時間をつくろう
犬のストレス対策では、噛むおやつだけに頼るのではなく、運動、探索、休息、飼い主さんとのコミュニケーションをバランスよく取り入れることが大切です。
草や土のにおいを嗅ぐ、風を感じる、飼い主さんと一緒に歩くといった体験は、犬のさまざまな感覚を刺激します。
たくさん走ることだけが、犬にとっての充実した外出ではありません。
愛犬のペースで立ち止まり、においを確かめ、周囲を観察する時間も大切にしてあげましょう。
PAWTOPIAで愛犬らしい一日を
愛知県岡崎市のPAWTOPIA(パウトピア)は、ドッグラン、ドッグアスレチック、ドッグカフェ、犬のお菓子やお土産のコーナーを備えた施設です。
自然の中で体を動かした後は、愛犬の呼吸や体調を確認しながら、ゆっくり休憩しましょう。
落ち着いた場所で水分を取り、必要に応じて愛犬に合ったおやつを楽しむことで、遊ぶ時間と休む時間にメリハリをつけられます。
ほかの犬が近くにいる場所では、おやつを見せることで犬同士の緊張や取り合いが起こる場合があります。施設内でおやつを与える際は、周囲との距離を取り、PAWTOPIAの利用ルールを守りましょう。
まとめ|噛むおやつは安全性と与え方が大切
犬にとって噛むことは、口や鼻を使って対象を確かめる自然な行動です。
愛犬に合った噛むおやつを適切に与えることで、退屈を減らし、落ち着いて過ごす時間をつくれる場合があります。
一方で、硬すぎるおやつ、小さすぎるおやつ、高カロリーなおやつには注意が必要です。
愛犬の体格、年齢、歯の状態、噛み方を確認しながら、飼い主さんが必ず見守り、安全で楽しい「噛む時間」をつくってあげましょう。
参考情報
※本記事は、犬のおやつと生活環境に関する一般的な情報を紹介するものです。ストレスと思われる行動が強い場合、急に行動が変化した場合、持病、食物アレルギー、歯や口の不調がある場合は、獣医師へご相談ください。
